サーフィンってかっこいいスポーツですよね。波の上で華麗なアクションが出来るプロサーファーを見ると自分もできそうな感じがしてきます。
自分もサーフィンうまくなるぞ!って今まさに頑張ろうとしている初心者サーファーさんに向けて、今回はサーフィンの危険性について知ってもらうべく記事を書くことにしました。
自然の力の前には人間って無力なんです。大きな事故やトラブルを起こす前に「サーフィンは危険なスポーツだ」と認識も持ってもらいたいので私の体験も交えながら書いてみますね。
波のサイズ
まず最初に初心者サーファーさんに言います。
初心者サーファーは自分のレベルに合った波のサイズで波乗りを心がけてほしい!
何度か海に入ったことがある人はわかるでしょうが、波のパワーって見た目以上にあるんです。腰くらいのサイズでも波打ち際ではまともに立っていられないくらいだと思います。
初心者サーファーは腰くらいでもパワーがあると感じるでしょうが、頭サイズの波では命を落とす危険があるくらい波にパワーがあると意識してください。
あっ、ちなみにサーファー用語では波のサイズを身体の部分で表します。
ひざ、もも、腰、腹、胸、肩、頭、頭、頭オーバー、頭半、ダブル・・・
「今日の波はひざ~ももで波が小さかったよ」てな感じです。
では波のサイズが大きいと具体的にどんな風に危険なんでしょうか?
波のサイズが大きいと具体的にどう危険なのか?
サーフィンの事故の原因で一番多いものは溺死です。
波のサイズが上がると当然波のパワーも上がり、初心者サーファーでは太刀打ちできない事態になる。
- 波にのまれる
- カレントが出る
- 体力が奪われる
波にのまれる
波をかわすドルフィンスルーができない場合、思いっきり波の力を受け海の中へ引きずり込まれます。波に飲み込まれている間はほんの数秒でも本人にしたら1分から2分くらいの時間に感じます。冷静に対処できればいいのですが、波にのまれる経験が浅い初心者はパニックになり海水を飲み込んだり、暴れて体力を奪われたりして最悪溺れることになります。
またボトム(海の中の地形)が固い岩やリーフ(珊瑚礁)などに打ち付けられて大けがする可能性も十分にあります。
カレントが出る
カレントとは海の中の流れで離岸流とも呼ばれます。陸から見て左右に流れる場合もありますし、沖に向かって流れる沖出しと言われるカレントもあります。沖に出されるとパドル力が弱い初心者サーファーでは陸に戻ることが出来ず、そのまま体力が奪われ溺れる事故につながります。
波の小さい時もカレントはありますが、波のサイズが大きくなると川の流れのような強いカレントになりますので注意が必要です。
体力が奪われる
波が大きいと波にのまれ、何度もドルフィンスルーをして、カレントと戦い体力があっという間に無くなってしまいます。体力がなくなる=溺れると言う事で大変危険です。
その他
波のパワーによってリーシュコード(サーフボードの流れ止め)が切れる可能性が高まり最悪海の沖から自力で泳ぐ可能性が出てきます。
このように波のサイズが大きいと初心者は太刀打ちできない事になるのが目に見えています。何度も言いますが自分のレベルにあったサイズで波乗りをしよう。
そしてさらに恐ろしい波もあります。それは台風のうねりです。
台風の波
台風の波は普段の波とは違い一段とパワーがあり危険です。上級者は台風のうねりが来ると普段波が割れないようなところでも波が打つようになり、極上のブレイクがでると台風を心待ちにしますが、初心者サーファーにしてみたらタダの危険な波でしかありません。
私の住むエリアでは台風うねりが入りクローズアウト(サーフィン不可能な状態)になると人が流され命を落とすことがしばしばあります。
我々のようにいつも海を見ている経験のあるサーファーは「今日はとてもサーフィンできる状態ではないな」と判断できるのだが、経験が少なく遠くから来たサーファーは「波が多少デカいけどせっかく来たから入るか」と安易な考えでサーフィンをし事故を起こしてしまうんです。
波のサイズ的にサーフィンができるかどうか判断できない人は、波情報サイトなどを活用しサーフィンが出来るかどうかを確認することと、自分のレベルにあったサイズかどうかを慎重に判断してください。
初心者に適した波のサイズ
上記の事を踏まえて、まだテイクオフができないレベルならMAXで腰くらいのサイズで練習をすることをオススメします。
腹くらいのサイズですと「波のサイズが大きくて怖い」と感じる方もいると思います。サーフィンを初めていきなり怖い思いをするとサーフィン辞めたくなっちゃうんで、楽しめる範囲のサイズでやるのがいいと思います。
また腹サイズよりも大きい胸以上の波の場合危険度が増しますのでオススメしません。特に頭以上の波ですと命の危険があるくらいだと思ってください。
危険なサーフポイント
危険なのは波のサイズだけではありません。重複しますがカレントも注意が必要です。特にカレントの出やすいポイントやリーフポイントでは危険があります。
カレントの出やすいポイント
カレント(流れ)が出やすいポイントは障害物があったり、複雑な地形をしているポイントです。
カレントはこの動画がわかりやすいので見てください。中級者以上のサーファーがカレントを利用してパドルアウトしている様子です。この動画の様子が特段危険というわけではありませんがカレントを勉強するという意味でご覧ください。
パドルしていなくても沖に向かっていくのがわかりますよね?しかも結構はやいスピードです。初心者サーファーはこのカレント(離岸流)によって流されていることすら気づかないこともありますのでとても怖いです。
「気が付いたらかなり沖に流されていた」とならないように常に注意を払うようにしましょう。またカレントがきついポイントに入らないという事故予防をすることも大切です。
リーフポイント
リーフとはボトム(海底の地形)が珊瑚礁や岩盤のことです。リーフポイントの特徴としましては地形が常に一定のため、条件が合えばマシンブレイク(キレイに波が崩れること)となりロングライド出来たりとサーフィンに最適な波がでます。
しかしこのリーフポイントとはいくつかの理由で初心者にはオススメしません。初心者にオススメしない理由としては
- リーフでけがをする
- ポイントの特徴を知ることが必要
- ローカルが厳しい
リーフでケガをする
リーフは珊瑚礁や岩盤なので波にのまれてリーフにぶつかるとケガをするばかりか、打ちどころによっては大変危険な状態となることも予想される。最低でも「テイクオフ」や「プルアウト(波に乗ることを途中でやめ、波の裏側に行くこと)」ができないとリーフポイントに入る資格が無いと考えてイイだろう。
ただし、地域によってはリーフポイントしかないなんてところもあります。たとえば沖縄とかね。そういった場所では先輩サーファーと一緒にポイントへ入ることにしよう。
またリーフポイントは海に入る時や海から出る時も危険がたくさん。各ポイントによって危険度が違いますが、リーフポイントへのエントリー(海に入ること)の難しさを下記の動画で知ることが出来ます。
動画では笑っていますが笑い事じゃねーよ。って感じです。本当に危険だから。
私も中級者の時にリーフで失敗をしています。
四国へ一人旅に行った時の話ですが、入ったことのない無人のリーフポイントに入ろうとして沖に出ようとしたら思ったより浅くサーフボードがギタギタになり、ゲッティングアウトさえできなかった事がありました。見た目では頭くらいのサイズで良い波が割れていましたが、リーフの地形上サーフィン不可能な場所だったのか、サーフポイントだったのかすらわかりません。もし沖に出れたとしたらリーフに打ち付けられ死んでいたかもしれません。今思えば無謀な行動だったと反省をしています。
ポイントの特徴を知ることが必要
リーフポイントでは各ポイントによって特徴があり様々です。たとえば、満潮時でしかサーフィンできないとか、東うねりでしかサーフィンに適していないとか、台風うねりでしかサーフィンできないなどなどです。
満潮時に入水していても気が付いたら潮が引きすぎてリーフがむき出しになり危険になることだってあります。また海の中に大きな岩があるとか、牡蠣がボトムにあるから足を付いたらすぐに切れるとか。。。
その海に通い詰めたサーファーならすぐにわかることでも初めて入る人にはわからないことも多いだろう。そんな時は安全を第一に考え「知らないリーフポイントでは入らない」と言う事も重要です。
ローカルが厳しい
危険とは別の問題ですが、ローカルが厳しくて怒鳴られたりして嫌な思いをする場合がありますので初心者にはリーフポイントはオススメできません。
波のいいリーフポイントには必ずローカルサーファーがいます。ローカルサーファーが怒鳴る理由は様々ですが1番はそのポイントの秩序を守ることだと思います。「同じ日本人でみんなの海なのに、なんで初めて会ったし知らない人に怒鳴られなきゃいけないのか」と思うかもしれませんが、残念ながらこれが現在のサーファーの常識となっていることも事実です。
そのローカルサーファーとうまくコミュニケーションが取れない場合は、「楽しくサーフィンをする」といった観点から考えても、そのポイントに入らない方がベターです。
リバーマウスポイント
リバーマウスポイントとは河口のことです。川から運ばれる砂や玉石などが地形を整えサーフィンに適した波がブレイクします。
このリバーマウスでも危険がありますので紹介します。河口では当然ですが川の流れが入っていますので、ポイントによってはどんどん沖に流されると言ったこともあります。また大雨が降った後は流木が流れ着いていたりしていますので危険です。
危険なサーフポインとのまとめ
カレントやリーフ、河口などサーフィンは一歩間違うと命を落とす危険があることも知っておこう。そしてサーフィンのレベルにあった波のサイズで練習をし、そのポイントはビーチブレイク(海底が砂地)が望ましい。
海の生き物
サーフィンでの危険はまだまだある。それは海で生きる生物です。ここではサメとクラゲの危険性について簡単に説明します。
サメ
実は日本近海には普通にサメがいます。もちろん人を襲う種類のサメもいるためにサメによる被害もちらほら聞かれます。私の住んでいる地域の遠州灘でもサメに夜被害が近年報告されていますので注意が必要だ。
2014年愛知県の伊古部ポイントでサーフィン中にサメに腕をかまれ30針を縫う大けが
2017年静岡県磐田市のサーフポイントでサーフィン中にサメとみられる生物に足をかまれ重症
2017年は私がサーフィンをした中で1番サメを目撃した年でした。毎日サーフィンをするために海へ通っていましたが、毎日リアルにサーフポイントでサメを見かけていました。サメのサイズは1m~3mとサイズが大きく獲物を捕食するために飛び跳ねていました。
サーファーがいつ襲われてもおかしくない状態でした。こんな状況では海に入ら無いことが唯一の予防策となりますのでサメの目撃情報を仕入れるなんてことも必要です。
クラゲ
もう一つがクラゲが危険だと言う事。クラゲごときと油断していると痛い目を見る。日本近海ではカツオノエボシといった強い毒性を持つクラゲがいます。
青くてきれいなクラゲだが触手に触れると激しい痛みが襲い、人間の死亡例もあるので注意したい。
接触事故
サーフィン中の事故と言えば接触事故も当然のように考えられる。サーフィンのライディングはかなり速いスピードが出ているので、まともにぶつかるととんでもない大事故につながる。
サーフボードについているフィンを海の中ではナイフのような存在になる。フィンが人に当たると人の体は豆腐のような柔らかさで切れてしまいます。頭をパックリ切って数針縫ったなんて話は良くあることです。
そんな接触事故を避けるためにゲッティングアウト(沖にパドルで出ること)は邪魔にならないようなルートを・・・。と言いますが、現実的に常に回り込んでゲッティングアウトをし邪魔にならないようにするのは不可能です。
実は接触事故を避けるためには波に乗っているサーファーが避けるべきなんです。
混雑しているポイントではライディングをしているサーファーが避けなければならないこともあるので、そういった技術が無いようであれば混雑しているポイントは避けるべきだ。
雷
また雷も死亡例がある。
早朝、沖合で波待ちをしていたNさんが、落雷の直撃を受け、また、その近くにいた男女11人も落雷のショックにより気を失って水中に没した。事故を目撃したサーファー等によって12人全員が近くの病院に収容されたが、落雷の直撃を受けた1人を含む6人が死亡し、6人が負傷した。当時の気象は雷雨、南南西の風2メートル、波高0.5~1メートル、視界1~2kmで雷注意報が発令中であった。
引用:SURF&SNOW
サーフィン中に雷が鳴ったらすぐに海から上がり非難するようにしてくださいね。
日焼け
最後に見落としがちな日焼けです。日焼けごとき・・・。と思っていると痛い目を見ますよ。特に夏の日差しを浴び続けると日焼けではなくやけどになる可能性もある。
紫外線対策をしっかりしてサーフィンをしましょう。
サーフィンの危険のまとめ
どうでしたか?サーフィンって危険ですよね?
でも「サーフィン危険だからサーフィン辞めてね」とか「サーフィンはじめない方がイイよ」って言っているのではなく、「危険があるから安全にサーフィンをやってね」ってことが言いたかったわけです。
ハッキリ言ってサーフィンってスポーツの中で最高のスポーツって私は思っていますからね。
サーフィンを楽しく始めてもらいたいのでこんな記事も書いています。よかったらご覧ください。